ひかげ読書

本と漫画と時々色々

「助けておとうさま」 この闇と光/服部まゆみ

耽美な世界っていいですよね。嶽本野薔薇の「鱗姫」が妖艶で大好きでした。当時の大好きだった人にもらって今どこにやってしまったんだろうとちょっと思い出してみたり。

ゴスロリとかそういうのって見てるとわくわくしますね。パーツやらなんやら綺麗すぎるんですって。

 

で、耽美でゴシックな雰囲気に浸りたいときの作品がこちらです。

【あらすじ】

盲目の姫レイアは国王であるおとうさまと共に暮らす。美しいものに囲まれ、意地悪な召使いのダフネに怯えながらもおとうさまと幸せな日々を暮らしていたが、ある日終わりを告げる。

 

【感想】 

ずばり言ってしまうとどんでん返しものです。ということが分かった上で読んでも自分はしっかり騙されました。

前半はあらすじに書いたとおりのストーリーですが、後半からはガラッと世界観が変わります。最初に章が変わったときはぽかんですよ。は?今何が起きたの?的な。

 

どんでん返しを楽しむ作品に共通して言えるのは、ネタバレになるので感想がふわっふわしたものしか書けなくなることですね。困るね。

この作品については自分が思うに3部仕立てになっていて、上記あらすじは1部です。で、場面が一転して2部が始まり、3部のラストシーンは主人公の悲痛な叫びが印象的です。

2部がねぇ...きついんよ。主人公の戸惑いとやるせなさ、周囲の環境が激変してしまうが本人は簡単にはかえられないよね。3部は本当の自分に戻るための行動だけど、結局どっちなんですかねこれ。自分は主人公が思ってるとおりでいいと思うんだよなぁ。一緒にはいられないと思うけど、悲しい未来にはなってほしくないなと。

 

光が大きい分、闇も大きくなる。その逆もしかり。悲しくも美しい話でした。大好きです。