安楽死を考える本2選
サボりにサボっていたらワクチン1回目から書いてなかったのか...反省。
その間も1日1冊読書は続けられているが、ブログに書けるほどかなぁと思うと筆が進まぬ。でも久々に自分の好みの作品に出会えたので以前に読んだ作品と併せて書こうかなと。
死については昔から異様に興味があり(それが時に猟奇事件、生物学、死因など寄り道はしたが)、人権云々とかいいので安楽死はめちゃくちゃいいよなぁと思っていました。
そんな気持ちが少し変わったのが、2019年にNHKで放送された安楽死を扱ったドキュメンタリー「彼女は安楽死を選んだ」という番組。当時の私は偶然それを1人部屋で見ていて涙がぼろぼろ出ました。そこから今まで楽に死ねるというイメージしかなかった安楽死が、人の救済になるという考えをもつようになりました。とにかく衝撃。
で、今回はそんな安楽死を扱った2作品をご紹介します。
ヒュプノス/犬塚理人
図書館にてタイトルと表紙に惹かれました。運命的な出会い。
上記に上げた番組を作品中に取り入れたフィクションとなっていますが実在の、しかも自分が衝撃を受けた番組ということですごいリアルに感じた。
主人公は、安楽死が黙認されるスイスで自殺幇助を行うボランティア団体「ヒュプノス」に所属する日本人とスイス人のハーフの女性医師。ある出来事から日本で起きている自殺幇助事件に関わっていくうちにヒュプノスとの関係が明らかになっていく。
日本では決して許されていない安楽死を、誰が行っているのかがメインのミステリー。
私は最後の方でやっと犯人が分かったが、「そうはならんやろ」が結構あったのが残念。そこは都合良くいくものなの?と。あと自白パートはさすがにご親切すぎて不自然。もう少しなんかなかったかー?
しかし不自然な描写はそんなになく、別件で進むある人の憎しみと悩みは普通に感動した。苦しまないでいるって難しいなぁ。
ラストの主人公とあるキャラが話すシーンが大好き。委ねられた選択が正解かどうかは分からないけれどそれでいいと思うよ。
日本とヨーロッパにおける個と集団における死に対しての考え方の違いはなるほど面白いと思った。周りに迷惑をかけてしまうという考えが1番にくるあれね。
私個人の勝手な考えを述べれば、本人が心身問わず耐えがたい苦痛を伴っていれば安楽死はいいのではないかと。ただ精神においては作中でも認められていないとあったが判断難しいよね...うーん。残された人のことを考えるのも分かるが、自分が当事者なら「うるせぇ殺せ」ってなるだろうなぁ。身内のみなさんお許しを。
安楽死特区/長尾和宏
こちらは今年の1月に読んだ作品。やっぱりタイトルに惹かれた図書館本。
2024年オリンピックの失敗後、国により制定された東京の「安楽死特区」では、実験的にその地区で暮らす人々が専門の医師に認められると安楽死が認められる。
なんて無茶苦茶な設定だと驚いたがリアルすぎて怖いよ。2021年に開催したが観客も入れられなかったからある側面では失敗か...。
安楽死を望む認知症の女流作家、安楽死を望む恋人を見守るカメラマンの女性、安楽死とっくに勤める医師、余命わずかの政治家と様々な視点から話が展開していく。
正直言ってしまえば、全体的にツッコミどころが多く、特に終盤は相当ぐだぐだしたが思わぬ方向に転んだので自分は好き。行く末も「あぁ...実際こんな感じになっていきそう」と思った。
不治の病に苦しむ恋人をどうにかして生きていてほしいと願う女性に対してはやっぱり賛成できないなぁ。残された人とは言っても、苦しいのは本人だよやっぱ、と冷静に思っちゃうね。
現在、「ぼぎわんが、来る」でおなじみの比嘉姉妹シリーズと「ホーンテッド・キャンパス」シリーズを読み始めたのでいつか記事にあげたいなぁ。
ホラー強化月間楽しいです。