「数は楽しい」 数の悪魔-算数・数学が楽しくなる12夜/エンツェンスベルガー
みなさんは数学は好きですか?自分は中学までは一番好きで、高校からは土下座したくなるぐらい見たくない教科となりました。三角関数まじファ○ク。
とはいえ、読み物としての数学は未だに好きです。そのきっかけとなったのは小学校の時に図書室で出会ったこちらでした。
この作品と、まんがサイエンスと空想科学読本の3つが今の自分を形成したと言っても過言ではないですねぇ。児童書をあびるほど読みたいぞ。
【あらすじ】
算数が大嫌いなロバートは毎夜数についての悪夢を見ていた。そんな時現れたのが数の悪魔。夢の仲間で勉強家とうんざりするロバートだったが強引に始まったレッスンがだんだんと待ち遠しくなり...
【感想】
ドイツの児童文学の翻訳本。ロバートが数の悪魔から色んな数についてのレッスンを12夜(12章)に分けて書かれている。
素数や階乗、分数、パスカルの三角形、フィボナッチ数などの数学用語を悪魔の魔法をもって面白おかしく説明してくれる。ルートのことを「大根を抜く」、累乗のことを「ホップする」など独特な本書ならではの呼び方をしているのがちょっとかわいい。
児童文学とは言ってもなかなか高度な話が出てくるので数学嫌いはさらに嫌いになりそうな気もするし、なんなら当時数学が好きだった自分も高校でしっかり挫折したので数学めっちゃ好きになる!とは全く言えないが、数ってこういうことなんだなーという興味を持つきっかけになればいいなと思いました。
大人になってからの方が相当面白く読めるけどね。
12夜目(終章)では、数の悪魔の魔法でロバートを夢の中の数学者の集まりに連れて行く。ガウス、クラインなどの数学者の紹介の章になっているのだがその中でも0を発明した人が2番目にえらく、1を発明した人は1番目に偉いという表記がなんか面白かった。天上人すぎてお目にかかれないのね。
ロバートは最後の夢で数の弟子として認められ、悪魔と分かれることとなる。最初こそ数なんて大嫌いだと悪態をつきまくったロバートだったが、最後には悪魔のことが好きになっていて別れを惜しむ。うおー弟子との別れ。成長したねロバート。
読み物としてもしっかりしていて何度読み返しても毎回楽しい。
数学は苦手だったが、浪人中に恩師につきっきりに見てもらったおかげで三角関数と数列以外は大好きになりました。ベクトルらぶー。懐かしいなぁ。
大人も子供もみんなに読んでほしいそんな一冊です。