「名作ホラーを堪能」再生 角川ホラー文庫ベストセレクション/アンソロジー
地道に角川ホラーを集めたい人生です。
最近はミステリよりもホラーを読む率が高くなってます。夏はやっぱりホラーすよね。
マツコの知らない世界の怪談回がめっちゃよかったです。語りがうまい人の怪談ていいね。Youtube見たくなりました。
というわけで少し前の発売ですがこちらです。
表紙からして何かを察した。
安心安全の面子!素晴らしい!愛してる!
感想終わっちゃいました。頑張ってもう少し続けます。
今までの角川ホラー文庫から発表された作品の中からホラー系ライターの朝宮運河が編者となり集めた8作。
綾辻行人・井上雅彦・今邑彩・岩井志麻子・小池真理子・澤村伊智・鈴木光司・福澤徹三という盤石さ。この中で岩井志麻子と鈴木光司は読んだことがありません。ぼっけぇは方言が全く頭入らなかったです。鈴木光司は映画リングのトラウマです。怖すぎて小さいとき死んだ。
記事冒頭で表紙について触れたが、これは綾辻行人の「再生」から。そうだよねー!この表紙ならこの作品来るよねー!とテンション上がりました。なぜなら「眼球奇譚」というはちゃめちゃに好きな短篇集ですでに読んでいた印象深い作品だからです。
話が飛んで申し訳ないが前記事の「儚い羊たちの祝宴」で触れた「特別料理」は眼球奇譚にも似たようなのがあります。カニバるのが好きな人は(あかん)ぜひ読んでみてください。
「再生」は大学の助教授が、元教え子である妻を殺害。首の無い死体となった妻と人里離れた別荘で二人きりで過ごす。新しい首が生えるのを待ちながら。
ぶっちゃけゴリゴリに怖いとかじゃないです。いや、十分怖いはずなんだけど怖さよりも悲しさが先に来てしまう感じ。これ長い年月を待てばどうにかなるんでは?と思ったり思わなかったり。
鈴木光司「夢の島クルーズ」はお得意の水ものでこの湿度が怖いんだよとにかく。
しかし一番怖くて好き!ってなったのは福澤徹三「五月の陥穽」。
窓際族に追いやられた主人公。昼休みに屋上で一服しようとしたところ不注意によりビルから落ちてしまう。幸い隣のビルとの幅が狭かったためそのまま落ちることは免れたが地獄が待っていた。
じりじりと死が近づいていく感じがめちゃくちゃ怖い。心霊でもなんでもなく、自分の身近であり得る話というのがゾクゾク感を高めている。呪いとしてそこに存在し続けるよねこれ...。
ぶっちゃけ死ぬほど怖い!寝れん!まではいかないけど角川ホラー文庫の名作がしっかり集められている傑作短篇集となっています。未読のホラー好きはぜひぜひ。