「1年間の家族ごっこ」 鈴木ごっこ/木下半太
みなさん仮面ライダーは好きですか?自分は好きです。
とは言っても全シリーズ見てますとかではないのですが、とにかくみなさん仮面ライダーオーズだけはちゃんと履修しましょうね。いいか、絶対だぞ。
で、なぜ突然仮面ライダーの話かと言いますと、先週日曜日から始まった「仮面ライダーリバイス」の脚本が作家としても活躍する木下半太氏なのです。
「悪夢シリーズ」「極限シリーズ」など多くの作品を出していますが、自分は1作しか読んでいません。図書館にないの...。
ですがその1作である「鈴木ごっこ」が結構好きなので、仮面ライダーリバイス記念ということで今回はこちらをチョイスしました。
【あらすじ】
それぞれ2500万円の借金を抱えた四人の男女がある家に集められた。借金帳消しのために彼らは「鈴木」一家を演じ1年間を過ごすことを命令される。
【感想】
文庫が出た当時に本屋で平積みされていたのをよく覚えていた今作。絶対好きなタイプの作品だよなとは思っていました。
とにかくテンポが良くてすいすい読める。読むのは速いほうなので多分2時間もかからず読めたのではないかなと。「帯で煽るのやめようぜ」タイプの作品だったが、なかなかにぞわっとしたラストでよかった。
ネタバレなしだと何も話せないけど、びっくりポイントは2つあります。1つ目は終始ある違和感から分かる人もいるかもね。自分は4話で「これ違うじゃん」となり、黒幕の告白に「おーなるほどね」となり、最後の最後で「あーなるほどね!」となりました。
要するに何も分からずしっかり騙されたということです。
途中まではのほほんと、何かしらの裏はあるにしても成長できたな...よかったな...とかのんきに思ってた所のラストだったので1番いい読者になれたと思います。ちょろい。
ツッコミポイントは多いけど(主に隣人関係)、名前つける下りはよく考えたなぁと感心するしこのスピード感で風呂敷を広げて素早く畳めたところはとても評価できます。
こういうシンプルにズドンとくるのが1番いいんだよ本当。
仮面ライダーリバイスはコメディ調のスタートのようなので、めちゃくちゃ上げてからのどん底まで闇堕ちという展開を期待します。神にはならなくていいです。