ひかげ読書

本と漫画と時々色々

「ぼくは一生君から離れない」 ロートレック荘事件/筒井康隆

最近TikTokの影響で「残像に口紅を」がめちゃバズっているらしいですね。

アメトーークでプチバズが起こり、令和の世に再び沸騰するとは恐ろしき筒井康隆

読もう読もうと思っていてまだ読んでないんですけどね。

 

というわけで今回は「ロートレック荘事件」の紹介です。

叙述トリックを用いた有名な作品。どんでん返しとか叙述トリックとか好きなんす。初めて読んだ頃を思い出して懐かしい。狂ったように本を読んでいてほんと異常だったなぁと思うが、現在もやってること変わらないし、なんならこんな感想ブログまで始めてるので今の方がよっぽど正常に異常。

 

【あらすじ】

幼い頃の事故により成長が止まる一生の障害を負った重樹。20年後、資産家の所有するロートレック荘に招待された重樹たちは、凄惨な事件と出会うことになる。

 

【感想】

実を言うと叙述ものでトリックを見破れた唯一の作品なんですよね。なぜか今の方がよっぽど綺麗にだまされる。ビギナーズラックなのか脳が退化しているのか。後者か?

事件そのものはシンプルで屋敷に集まったうちの3人の娘がみんな拳銃で殺害されるというもの。外部犯なのか、アリバイはどうなのかなど警察の捜査が進む中ラストの犯人が判明するシーンでは「やっぱりねー」となりました。テンション上がった。

まあ細かいところは全く分かってなかったので、その後の自白ではページを戻りながら確認作業に勤しみました。ここの理解が一番時間がかかったね。

 

アンフェアとする見方もあるけれど、こんなにフェアな出し方はないだろうと。

改めて読むとここはミスリードなのかろか、違和感はいっぱいあるけどただただ読んでると分からないものですよね。

1990年に発表された作品なのに古めかしさを全く感じさせないから、名作ってやっぱすごいわ。有名な叙述ものとしてよく挙げられる「模倣の殺意」も同じく読み継がれる名作だと思ったがこちらはまさかの1973年でした。ばけもん。

 

記憶を無くして読みたい作品はいっぱいあるが、これは筆頭かもしれない。

200ページとボリュームも軽めなので未読の人はぜひ読んでほしいです。